2014年7月18日金曜日

140716一ノ倉沢中央カンテ

2014.7.16 wed
谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁
中央カンテ

nkmさん,sdさん 南稜
tkzさん,私 中央カンテ

体力、判断の正確さと早さ、慎重さ
登攀に求められるのは高グレードを登れる力だけではないことを痛感する。


tkzさんと前夜20時集合、22時すぎにロープウェイ駐車場に到着。
飲みながら山の話を聞き、nkmさんとsdさんを待つ。
2人は0時すぎに到着して1時半就寝。

3時半起きの4時出発。
出合5時。

午後天気が悪くなる予報。
朝はまあまあかな。
テールリッジまで雪渓がつながっていたのでらくらく。

テールリッジ下部
sdさんとnkmさん

中央稜取付きの少し下で準備をして、中央カンテ取付きへ。
sdさんnkmさんとはここで別れる。
この日もう会えなくなるとはこの時は思いもしなかった。

1p目 リード
核心のある奇数ピッチを譲っていただく。
tkzさんとの山は初めてだけど、経験豊富なのは聞いているし安心感がある。
右にずーっとトラバース後、草付きまじりのあまりきもちよくない階段状を登る。
朝一だからか、ちょっと身体がこわばっていた。
少し時間をかけ過ぎたかもしれない。

2p目 フォロー
一段越えてスラブを詰める。
短い。
フォローは時間をかけないよう意識していたけど、どうだったかな。

2p目終了点より

3p目 リード
出だしのバンドが濡れ濡れ。
取れるところに小さいカムを決めながら抜ける。
カンテに出ればそこは天国。
乾いたゆるいカンテを気持ちよく直上する。

3p目終了点より
おとなり中央稜のパーティー
お話できるくらい声が普通に通る。

4p目 フォロー
カンテの続き。
あまり記憶にない。

5p目 リード
ルンゼからⅤ-のチムニー!
キョン連発した記憶あり。
楽しく抜けられた。

6p目 フォロー
最初は左上。
右上しだすところでただ置いてある石が多く、落とさないように注意。
先行者の落石はここからかな。

7p目 リード
Ⅴ(A0)の中央カンテ核心ピッチ。
「フリーでいけるはずだからやってごらん」とtkzさんに背中を押してもらう。
核心1、出だしの小垂壁はガバをつかんで足上げて通過。
核心2、コーナークラック
下部が濡れててそこまでが嫌な感じ。
コーナークラックはレイバックで。
ナッツがよく効くポイントがあったので、安心して越えられた。

7p目終了点より

8p目 フォロー
顕著な凹角を詰める。
ナチプロがないと大きくランナウト。
本来の9p目途中まで50m伸ばす。

8p目を登るtkzさん

9p目 リード
凹角を抜けて左へ抜ける。
ナッツがたくさん使えた。

9p目終了点から
烏帽子岩の真下で大迫力

9p目終了点から南稜方面のルンゼに下降、トラバースで南稜下降点に抜けれるというが、私が初めてということで10pまでやることに。

10p目 フォロー
tkzさんがとても時間をかけていたので何があるんだろうとドキドキする。
烏帽子岩の付け根を回り込むとそこはびっしょりのルンゼ。
浮石だらけ、乾いたところなし、プアプロでフォローなのに一番しんどいピッチになった。
草付の笹を鷲掴みにして一安心。

11p目(おまけ)
草付を詰めて南稜の上の稜線へ


この時点で南稜組はすでに懸垂下降を終えテールリッジへ向かっていた。
追いかけるように南稜下降点への懸垂を開始するが、濃いガスが周りを覆い、雨が降り始める。
このガスでは南稜の下降点を見つけられないとtkzさんが判断し、国境稜線に抜けることに。
この時15時半くらい。
一ノ倉尾根を詰め国境稜線から肩の小屋へ。
天神平からの下降路の確認をさせてもらい、温かいお茶をいただく。
美味しいお茶だった。
19時、肩の小屋を出発。
ガスが一時切れ、みなかみの夜景を眺める。
ガスで上部の岩場が分かりづらいと西黒尾根をさける。
天神尾根下降、スキー場のコース下降でロープウェイの駐車場に着いたのが22時10分。
18時間行動の一日でした。

早く下山することよりも、安全に確実に下山する判断をしていただいたtkzさんに感謝。
自分が2人で下山しようとしたらきっと下降点をみつけられずビバークしていたと思う。

あとは70代でこれだけ歩けるtkzさんの体力。
 判断の早さ正確さといい、強いクライマーとはなんなのかを考えさせられた。

疲れたけどいい山行でした。

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